人間の体は、炭水化物から作られる「ブドウ糖」と脂質からつくる「ケトン」の2種類のエネルギーで働いています。脳を動かすためにはブドウ糖が必要ですので、日本では昔から炭水化物を中心とした食生活が推奨されてきました。

しかし近年、炭水化物（＝糖質）の摂り過ぎは様々な病気を引き起こすことが分かってきました。

必要以上に炭水化物を摂ると、肥満・炭水化物依存症・糖尿病や動脈硬化などの病気に繋がりかねません。

ブドウ糖は脳を動かすために必要なエネルギー源ですが、ブドウ糖が枯渇した状態で脂肪を燃焼すると、ブドウ糖の代わりに脳にエネルギー源として利用できる物質を作り出します。それが「ケトン体」です。

ケトン体は、肝臓で脂肪酸を分解する過程で生成され、心臓や筋肉、腎臓や脳に運ばれて細胞内で代謝され、エネルギー源となります。ケトン食は、この仕組みを利用してタンパク質や脂質中心の脂っぽい食事を摂り、体内にケトン体を作り出す食事療法です。

ケトン食は、炭水化物と砂糖を減らすため糖尿病の予防に良いとされています。糖尿病が予防できれば様々な大病予防にも繋がります。ブドウ糖が少なくなるとケトン体を作るために脂肪を燃焼させるため、特に肥満の方の健康管理にも良いでしょう。

また、糖質を極力抑えることにより、食後眠くなったり集中力が低下することがありません。抗てんかん剤に比べ副作用が無く、難治性てんかんの食事療法として病院などでも取り入れられています。